人は善悪を生まれながらに理解しています。
子供を虐待する事は悪。高齢者に親切に接する事は善。
人は何が善で何が悪かを生まれながらに既に知っているのです。
しかし人はその時々において、この善悪を使い分ける。
これが「心の問題」の根源です。
100%誠実な人はいません。
善悪の判断、心の葛藤そんな心の問題の根源である「バランス」について今回は迫っていきたいと思います。
*現在、認知症は心の問題と内臓機能低下の双方の問題が示唆されています。
母方の祖母はアルツハイマー型認知症で、人の認識や物事の順序を把握出来なくなり、無口になっていきました。
これは発語、判断力や計画性を司る内側前頭前野の機能低下によるアルツハイマー型認知症によくみられる症状です。
発症時期は70代後半、支えだった姉や夫を亡くした事をきっかけに心のバランスが崩れ発症したと推測します。
加齢による内臓機能低下はあったものの医師による薬の処方はありませんでした。
祖母は夫や義母、子供達、兄弟姉妹にも献身的に努めたと聞いています。祖母があれやこれやと自身を主張する姿を見た事がありません。美徳とされる謙虚さを描いた、慎ましい人でその姿を今でも思い出します。
しかし祖母の好きな事はなんだったのか?何に関心を持っていたのか?どんな心の葛藤があったのか?
幼少期の私には祖母の意思や意向を汲み取る事が出来なかったにせよ、その記憶がほとんどありません。
今、改めて考えてみると祖母は自分の人生を家族に捧げ、大きな判断は家族に任せた。
心の問題として捉えてみる時、この事は依存ともいえます。意見を言わないという事は伝えるという努力を怠ったか、持ち合わせなかったか。
良い悪いではなく心のバランスの問題です。
「利己」と「利他」
祖母は利他に生きた。しかし支えをなくした時、自分の土台をもなくしたといえるのかもしれません。祖母の心様は時代も大きく擁護した。そういう時代だったと言えるでしょう。
しかし現代はややこしく、やっかいな状況だという事を改めて問うまでもありません。
同調圧力がありながら自己責任を問われ、自分の意見と繋がりやすく操作されている事を知りながら同調し、他の意見を見て見ぬふりをする気運と分断が意識的にそして無意識に構築されています。
「判断力」と「遂行力」
興味・関心・責任感・受け入れという感情が記憶力の土台となり様々な体験を通じ、未来への豊富な判断材料として脳にストック=記憶されます。
判断とは、体験から得た良し悪しのエピソードを現在起きている事と照らし合わせ、注意し選択し持続させるプロセスです。そして把握可能(わかる)処理可能(できる)を体感し有意義と捉え、遂行が生まれます。
これが判断力と遂行力です。
自分の興味・関心×家族・社会との責任感や受け入れの連立方程式を立て、答えとなるビジョンを見出しその答えを因数分解する。そしてまた新たな方程式を組み立てていく。
この繰り返しの中で自分自身も判断を誤り失敗し痛みを経験する。
この事は他者や様々な事柄の背景を知り配慮するという力にアップデートされていきます。
失敗し痛みを知る事は他者の痛みを想像する事に繋がります。
「感受性」
心のバランスとは
どちらのバイアスにも偏らない思考の柔軟さ。対極を理解するやわらかさ。
その心の正しいスタンスを保つ為には成功体験だけではなく失敗体験も必要なのです。
人生は過酷にも寛容にもなり得ます。
まず貴方の「好き」を探し、その先の連立方程式や因数分解にたどり着く。そして何回も繰り返し行う。
効率的でも合理的でもない
この事でしか「心の問題」は解決しません。
失敗しながら
導き出したあなたの答えを正解にしていこう
そして、平行線も球体上においては交わるそうです。
対極にある方とも地球上では理解し合える可能性がある!
平行は和をもって交わる 平和
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